森田恭通×川田秀樹 対談 PREMIUM CUBE G 大崎

山手線をはじめとする6つの路線が通る大崎エリア。再開発が進むオフィス街と親しみやすい商店街の二つの顔を持ち、様々な人々が行き交うこの街に[THE PREMIUM CUBE G 大崎]が誕生します。

国内外で活躍を続けるデザイナー、森田恭通さん率いるGLAMOROUS co.,ltd.とのコラボレーションによってデザインされたマンションはこの大崎で11棟目。今回はその人気を支えるデザイン・ワークの秘密にアプローチしてみたい。

対象物に思いを巡らせることが、デザインの出発点になる

[THE PREMIUM CUBE G]シリーズでの森田さんとのお付き合いは、この大崎で11棟目になりますが、今回もまたすばらしいデザインをご提案いただきました。そこで今日はいつもと少し趣向を変えて、森田さんとグラマラスさんがこういったデザインをどのように生み出しているのかを中心にお聴きしてみたいと思います。

特に隠し立てすることは何もありませんので、正直にお話していきたいと思います。(笑)

まず、今回のデザインを最初に見た時の私の印象をお伝えします。いままでは基本的に暖かい感じの建物が多かったと思うのですが、今回は白・黒・グレー基調ということで、あまり今までにない色の使い方だなと思いました。ただ、使っている色はシンプルなのに冷たい感じはしない。むしろ単純に同じ色だけを使った建物とくらべて、かなり高級感を感じました。

大崎の建物は綺麗な形をしていますので、一枚の柔らかい布でくるんだようなデザインにならないかなと思ったのが、デザインとしてのスタートです。
いままで、割と暖かい色味を使ってきたのですが、モノトーンでもグラデーションによって色の幅が広くなるんですね。それで、布の編み込みのようなパターンを考え、軽やかだけども高級感があるというデザインにしました。

今回の複雑なタイルのチェックパターンは、布の編み込みが元だったんですね・・・ そういう発想というのは「いつもこうやると出てくる」といったルーティンのようなものがあるのでしょうか?

物件のボリュームを見せていただき、1件1件大切に考えていきます。当然、建物によってそれぞれに特徴があるわけですから、その建物にしかできないデザインというものがあるはずなんですね。建物の特徴をひとつひとつ紐解いていくことが僕たちのやり方で、それらの特徴に対して何がふさわしいのかを考え、それがオリジナリティにつながっているのだと思います。

でも、たくさんデザインをされていると、行き詰まったりすることもあると思うのですが。

もちろんヴェリタスさんは他の物件もたくさん作られていますので、ヴェリタスさんに今までないもの、そして購入される方、その中には何部屋も持っていらっしゃる方もいますので、その方々が「今度はこれを買いたいな」と思わせるもの、この建物の部屋を持つことがステイタスになるようなもの、そういった気持ちをくすぐるようなデザインを考え、今までの建物との違いを追求していきます。これがデザインをする上で大切な、セカンド・ステップになります。

そういったステップを経て、今回のようなデザインに至るというわけですね。

今回の物件は大きな面が見えてくる建物ですので、白やグレー一色のように、あまり色の数が少ないと、ものすごく建物自体が重く感じてしまいます。そこで、軽やかにするためにファブリックのような質感、編み込みといったデザインに辿りついていったのですが、実際の建物になっても柔らかみのある質感が感じられると思います。

ただ創るだけでなく、デザイン・イメージの共有を図ることも重要なプロセス

デザインには、価値を高めるという要素があるわけですが、その前提となる物件そのものを開発する段階では、どのようなことがポイントになってくるのでしょうか?

投資用マンションの開発は、エリアはもちろん、道路付きや規模感などを総合的に見ますが、競合他社もあるためになかなか思うようにいかないというのが現状です。本来はもっとこういった良い場所にたくさん建てたいのですが・・・
一方、購入される人のことを考えても、エリアや規模感はやはり大事ですね。それに価格とデザインが加わってくると思います。

そうやって苦労して開発されたマンションだということを踏まえて、デザインをしていかなければならないですね。

ところで、森田さんからプレゼンテーションいただくときはいつも、イメージをまとめたボードをうまく使われているなと感じるのですが。

デザインを理解していただくためのツールのことですね。いつも3種類のボードを作ります。1つ目はイメージをお伝えするために、写真を使ってわかりやすく構成したイメージボードです。2つ目はCGパース、3つ目は具体的にこういう素材を使っていきますというマテリアルボードがあります。

いつも森田さんのプレゼンには感心させられますし、このボードが当社の建築メンバーのイメージ理解にとても役立っています。素材についてもキチンと考えられているので、その場で説明を聞いて即決することが多いですね。

イメージボードは今回、ファブリックのイメージ、つまり布の感じから編み込んだレイヤー感を出し、「これはタイルでもできますよ」という素材につなげていき、建物のパースへと展開していきます。マテリアルボードでは、実際の素材感を出していくという役割があります。イメージからだんだんと具体的なものに落とし込んで行くわけです。

デザインの段階からコストのことなども考えていただいているので、ほとんど森田さんから提出してもらったパースのままで進めていくことができます。スタッフの間でも信頼関係ができている証かもしれません。

パターンをあまり複雑にしすぎるとコストに跳ね返ってきますので、今までの経験から考えるようにしています。

一番最初にデザインとタイルのパターンを見た時に、当社の建築チームからはこれは「どのくらいかかるのだろうか?」という不安の声があがったのですが・・・先ほども言ったように、基本的に我々は投資用の商品を扱っているため、建築費と土地代、そしてデザインとのバランスを取らなければいけないわけですが、そのあたりは森田さんに配慮していただいており、助かっています。

最初は斬新なデザインでも、いずれそれがスタンダードになっていくことが重要

僕が良く使う言葉に、“タイムレス”という言葉がありますが、それは「普遍的なものである」という意味とともに、最初に出てきた時はスタンダードでないかもしれないけれど、時が経つにつれてスタンダードになっていくという意味もあります。
[PREMIUM CUBE G]シリーズもこれで11棟となるわけですが、全体的な評判はどんな感じでしょうか?

反応は良いですね。PREMIUM CUBE Gファンというと失礼かもしれませんが、新しい物件ができるのを待っている方もいるくらいですので、やはり他にない価値を認めていただいているのだと思います。

PREMIUM CUBE Gの物件をいくつも持っている方もいるということですね。

世の中に新築の投資用マンションはたくさんあるのですが、やはり違いを出すのは、場所と建物のデザインや設備などといった付加価値の要素になります。新築時は良いのですが、古くなっていくとともに、「賃料を維持できるか」とか「売却する時に価値が下がらないか」ということに注目されていきます。そういったお考えの投資家の人たちに選んでもらいたいということで、我々はデザインをはじめとして色々なところにこだわっていますし、建物に自信を持っています。ですから迷った時には、我々の物件をぜひ見てもらいたいと思います。

マンションというのは高額な買い物になるわけですので、買って良かったなと思えるようなものにしていきたいですね。
そして、PREMIUM CUBE Gファンの方々の期待にも応えられるようデザインしていきたいと思っています。

グラマラスさんとはこれからも、それこそ“タイムレス”な長いお付き合いをさせていただきたいと思っています。我々も良い物件を開発していくつもりですので、今後ともよろしくお願いいたします。
お忙しいなか、本日はありがとうございました。

ありがとうございました。

森田 恭通
GLAMOROUS co.,ltd. 代表/デザイナー

森田 恭通

1967年大阪生まれ。2001年の香港プロジェクトを皮切りに、ニューヨーク、ロンドン、カタール、パリなど海外へも活躍の場を広げ、インテリアに限らず、グラフィックやプロダクトといった幅広い創作活動を行なっている。2016年には全館に "クールジャパン" をコンセプトとする三越伊勢丹HDの新型店 「ISETAN The Japan Store Kuala Lumpur」 が完成した。なお100年に一度と言われる再開発が渋谷で進む中、2019年12月オープン予定の 「東急プラザ渋谷」 の商環境デザインを手掛けている。またアーティストとしても積極的に活動しており、2015年より写真展をパリで継続して開催している。
SEGD Global Design Award、A' Design Award and Competition、Design For Asia Awards、The International Hotel and Property Awards、INTERNATIONAL PROPERTY AWARDS、THE LONDON LIFESTYLE AWARDS、The Andrew Martin Interior Designers of the Year Awardsなど、受賞歴多数。
https://glamorous.co.jp/

川田 秀樹
株式会社ヴェリタス・インベストメント 代表取締役

川田 秀樹

1972年生まれ。青山学院大学卒業後、不動産会社に営業職として入社。25歳で管理職に抜擢、以後マネジメント業務に携わる。
前職では企業のナンバー2として、株式上場に携わる。
2008年に株式会社ヴェリタス・インベストメントを設立し、代表取締役に就任。
「PREMIUM CUBE」シリーズを中心にワンルームマンションの企画・開発・販売を行っている。

川田秀樹 著
『押切もえの 教えて! マンション経営Q&A』
お求めは大手書店・インターネット書店等でどうぞ。

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