PREMIUM CUBE G 西大井

森田恭通×川田秀樹 JR横須賀線で品川へ、そしてJR湘南新宿ラインで大崎へ、どちらもひと駅の場所に位置する西大井。この交通至便ながらも閑静な住宅街に[PREMIUM CUBE G 西大井]が誕生します。国内外で活躍するデザイナー、森田恭通さん率いるGLAMOROUS co.,ltd.とのコラボレーションによってデザインされたこのマンションは、歴史ある閑静な街にどのようなパッションを与えるのだろうか?

どんなデザインでも、そこに込められた“思い”を知ってもらいたい

川田
森田さんとは、1年半ほど前の「PREMIUM CUBE G 渋谷神南」以来の対談となりますが、最近はどのような活動をされているのでしょうか?
森田
今はオーベルジュを3軒、ここ半年くらいの間に順次オープンさせる予定で進めています。
オーベルジュというのは、フレンチの料理宿のことで、6室から15室くらいの、本場フランスのそれと同じくらいの規模のものを作っています。
川田
そちらは全てを手がけているのですか?
森田
レストラン「ひらまつ」さんから依頼をいただいて、私の方でゼロからつくっています。
場所も良くて、ゆったりと静かに過ごしてもらえるようにと考えています。
その他には、伊勢丹さんの“ジャパンストア(The Japan Sore)”を手がけています。
こちらはクアラルンプールにある6フロアの大型店舗で、食品からファッション、家電までが揃うオール・ジャパン・ショップとなっています。
川田
伊勢丹さんは、新宿本店のリニューアルも手がけられていましたね。
森田
今回の“ジャパンストア”は、伊勢丹さんとクールジャパン機構さんとの共同プロジェクトで、日本ならではの数々の素晴らしい製品をプレゼンテーションしながら販売するショップですが、「茶道」など色々な教室も開催される予定です。
他には、住宅やレストラン、病院などもありますが、面白い例としては六本木のスポーツバーを手掛けています。このスポーツバーは、普段はイギリスのパブのような落ち着いたバーなのですが、スポーツを見るときだけモニターが降りてくるという仕掛けになっています。
川田
知らないと最初はびっくりするでしょうね。
ところで森田さんには、当社オフィスのデザインもお願いしました。
森田
ヴェリタスさんはとてもクリエイティブな会社だと思いますので、ひとつには社内スタッフの皆さんが、クリエイティブな環境で仕事ができるということ、もうひとつは訪問されたゲストの方々が、「この会社となら面白いことが出来そうだ」という創造的なイメージを持ってもらえるように、という2点を考えてデザインしました。
川田
エントランスにシャンデリアがあるというインパクトは、かなりのものだと思います。
それが、彎曲したガラスを通して見えるのですが・・・
森田
あのガラスは、色々な角度からモノを見ることができる会社、という意味を込めて使いました。

人とその営みとの関係性のなかで、デザインは生まれる

川田
今回で、森田さんにお願いしたマンションは5物件目となります。
私たちとしては、マンションに付加価値をつけ、他のマンションとは差別化したいという考えがあって、森田さんにお願いしているということになります。
森田
販売の方はどんな状況でしょうか?
川田
おかげさまで順調に推移しています。これも森田さんにデザインをお願いしているためで、普通のマンションよりも販売スピードは速いですし、入居率もずっと満室を維持しているということは、私たちの考えが購入者の方と入居者の方に支持されている結果だと思っています。
森田
独身時代、品川近辺に住んでいたことがあるため、土地勘は割とある方なのですが、物件のある西大井は閑静な住宅街で良いところですね。
川田
リニア新幹線の開通もあって、品川エリアはとても将来性の高い場所です。このエリアは土地の取得が難しくなっているのですが、その品川にひと駅で行けるという利便性があり、近隣には大型のマンションがないため、街のシンボルにもなると考えています。
森田
今回は、歴史のある場所でもあるため、そういった点をリスペクトしながら考えたという背景もあります。
デザインではアーガイルパターンというものを使っていますが、それには伝統という要素が含まれています。普通は洋服で使われる伝統的なパターンなのですが、それを建物という立体に置き換えて、モダンな雰囲気を作り出しています。
そういう意味では「伝統」と「革新」をうまく合わせたデザインにしました。

デザインは人の気分を変えるだけでなく、メンタル面まで豊かにする

森田
色としてはアースカラーを使うことで、柔らかく温かい雰囲気を追及しながら、地域に溶け込む色であることを意識しました。
外壁は、小さなタイルを用いることによって細かなモザイクが可能となり、それによって奥行き感や立体感を出すことにつながっています。小さなタイルがドットとなり、それが広がると立体的に見えるという視覚効果を利用しているのです。
さらに、上方に行くほど明るくなるグラデーションをつけていますが、これは空に向かってなじんでいくと同時に、柔らかい色合いが周辺に圧迫感を与えることなく溶け込んでいくという意図があります。
川田
最初にデザインを見た時には、イメージしていたものと全く違っていたので驚きました。ただ、私たちの考えている以上のデザインが出てくるのがグラマラスさんらしさでもあり、当社にとっては挑戦することにもつながりますので、「これでいきましょう」と即答させていただきました。
森田
アーガイルパターンは、ニット製品などファッションではよくあるのですが、まず建物では無いと思いますね。
森田
同じアーガイルパターンですが、エントランスは逆に大きなタイルを使用しています。
これは、人の目線を意識してのことで、外観は引いて見るのに対し、エントランスは目線より少し上までのヒューマンスケールを意識したサイズ感にしたということです。
川田
タイルの選択は、基本的には選択いただいた色をベースに、相談しながら決めさせていただきました。
森田
古くからの住宅街という場所でありながら、大きな建物になるためランドマーク的な存在になるとは思いますが、できるだけ美しく見えるようにしたいという思いがありました。
川田
おかげさまで販売も順調です。
当社としては大きな物件なのですが、完成前なのにたくさんの申し込みが来ています。
森田
住居というのは、いつもいい気持ちでありたいと思うわけで、人の気分を変えるのがデザインだと思っています。これは持つ人(購入者)も住む人も同じで、クリエイティビティの高いマンションを持ったり、そこに住んだりすることで、さらにその人のメンタル面まで豊かになれば良いなと思っています。
川田
マンションにはステイタスが必要だと考えていますが、この物件は、立地も建物・設備も、ステイタスを充分感じてもらえると確信しています。
本日は、どうもありがとうございました。
森田
ありがとうございました。

森田 恭通

GLAMOROUS co.,ltd.代表/デザイナー 森田 恭通
1967年大阪生まれ。2001年の香港プロジェクトを皮切りに、ニューヨーク、ロンドン、カタール、パリなど海外へも活躍の場を広げ、インテリアに限らず、グラフィックやプロダクトといった幅広い創作活動を行なっている。
2013年婦人服・婦人雑貨フロアに引き続き2015年にはリビング、ベビー子供フロアの「伊勢丹新宿本店本館 再開発プロジェクト」が完成した。2013年自身初の物件集「GLAMOROUS PHILOSOPHY NO.1」がパルコ出版より発売。2015年11月初の写真展「Porcelain Nude」をパリで開催。
SEGD Global Design Award、A' Design Award and Competition、Design For Asia Awards、The International Hotel and Property Awards、INTERNATIONAL PROPERTY AWARDS、THE LONDON LIFESTYLE AWARDS、The Andrew Martin Interior Designers of the Year Awardsなど、受賞歴多数。
http://glamorous.co.jp/

川田 秀樹

株式会社ヴェリタス・インベストメント 代表取締役 川田 秀樹
1972年生まれ。青山学院大学卒業後、不動産会社に営業職として入社。25歳で管理職に抜擢、以後マネジメント業務に携わる。
前職では企業のナンバー2として、株式上場に携わる。
2008年に株式会社ヴェリタス・インベストメントを設立し、代表取締役に就任。
「PREMIUM CUBE」シリーズを中心にワンルームマンションの企画・開発・販売を行っている。


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